気を取り直して探してみたら、ありました!なんだか肩身が狭そうです。こうしてみると、サブカル系の本というのは、タイトルのフォントが太くて強めなんだなと感じます。
そのあと、新宿に行ったついでに紀伊國屋本店をのぞいてみると…
今度は6階の実用書「料理専門」のコーナーにありました。しかも隣にあるのは『「こつ」の科学―調理の疑問に答える』ではないですか!
この本、私も持っています。初版の発行は1971年。それから114刷(!)して2006年に新装版が刊行されたというオバケ本です。「洗う」からはじまって、「焼く」「炒める」「揚げる」「蒸す」など基本的な加熱調理についてはもちろん、「味つけ」「保存や加工」まで、あらゆる料理のコツが科学的に解説されています。
ふだん何気にやっている下準備やひと工夫にどういう意味があるのか。たとえば「せん切りした野菜を必ず一度水につけるのは」という項目では、水にひたすことで歯切れがよくなることを浸透圧の関係から理論立てて教え諭されます。
スキあらば手間を省こうとする自分にとって、この本は厳しい先生みたいなもの(だから、ときどきめくって背筋を正すくらいのほどよいお付き合いをしてます)。『ニッポン定番メニュー事始め』が、まさか先生本の横に並ぶとは思っていなかったので若干の緊張です。
肩身が狭かったり、緊張したり。こうして自分が当事者になると、本屋さんの並びっていまさらながらおもしろいもんだと実感しています。