2015年1月19日月曜日

イベント2daysのお知らせ

1月28日(水)、29日(木)と2日続けてイベントの司会をやります。

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1月28日(水)
『おばあちゃん猫との静かな日々』刊行1周年記念
「ねこむすびナイト」
下村しのぶ(写真家)
ゲスト:山田稔明(ミュージシャン)
聞き手:竹田理紀&澁川祐子(編集者)

おばあちゃん猫・照枝さんとの日々を写真と言葉で綴った
下村しのぶ『おばあちゃん猫との静かな日々』(宝島社)。
刊行から1年、静かな反響を呼んでいる同書初のイベント!

写真家の著者による愛猫を可愛く撮るコツから、老猫との
暮らし方、看取りの話まで。ゲストに本を通じて知り合った
ねこ友のGOMES THE HITMANのVo.の山田稔明さんを迎え、
ねこが取りむすぶ夕べを開催いたします。

場所:6次元(http://www.6jigen.com/
時間:19:00~21:00
   山田さんによるねこソングの弾き語りタイムあり
参加費:2000円(ドリンク付き/要予約)
予約:件名を「ねこむすびナイト」とし、名前、参加人数、
電話番号を明記の上、rokujigen_ogikubo@yahoo.co.jp まで。

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長年お世話になっているカメラマン・下村さんちのねこ、照枝さんの本。
私は編集でかかわりました。
深夜に下村さんとああでもない、こうでもないと電話で話しながら、
ちくちくと作りあげていった思い出深い本です。

病気が進むなかで、 何をしてあげられるのか。
大切な存在と最期の日々をどう過ごしていくのか。
巻末の下村さんと主治医の先生との対談などを通じて、
私自身、「看取り」に対して気づくことがありました。

写真展のときに、近所のおばあちゃんが懐かしそうにやってきて、
ひとしきりおしゃべりして本を買って帰っていったと聞きました。

最後から最初に遡ってページをくっていくと、
元気になる、という感想も聞きました。

そんなささいだけれど大事にしたい話をみなさんとできればと思います。



そして翌日のイベントはこちら。

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1月29日(木)
津原泰水presents
『たんときれいに召し上がれ 美食文学精選』刊行記念パーティ
~筒井康隆さんを囲む夕べ~
http://www.gei-shin.co.jp/event/index.html#2014-12-24

ゲスト:筒井康隆 特別ゲスト:金子國義

時間:19:00~21:00予定
会場:ロシア料理「スンガリー」新宿東口本店
会費:10,000円
定員:先着35名様
司会:澁川祐子(『たんときれいに召し上がれ』所収「コロッケ」著者)
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1月25日に芸術新聞社から発刊される
津原泰水編『たんときれいに召し上がれ 美食文学精選』
『ニッポン定番メニュー事始め』から一編収録していただきました。

津原さんが偶然ネットで私の連載を読んでくださったことが
きっかけで、新しい人を入れたいという(勇気ある!)ご提案により、
私のような一介のもの書きが参加することになりました。
ゲラを確認したときは、私のあとに続くのが小林秀雄で冷や汗が出ました。
本を手にしたら、またどっと汗が噴き出しそうです。

そしてこれまた大汗をかきそうですが、
刊行記念パーティーの司会役も務めることになりました。
精一杯、優雅な夜を盛り上げていきたいと思います。

そして来月にも司会するイベントがひとつあるのですが、
そちらのお知らせはまた後日。

2014年4月30日水曜日

新連載のはじまりと『暮しの手帖』

日本ビジネスプレスで連載し、『ニッポン定番メニュー事始め』(彩流社)にもまとまった「食の源流探訪」がこの3月で終わり、4月から新しい連載「変わるキッチン」がはじまりました。

この連載では、調理の動作をテーマ(1回目は「切る」)に、道具の変遷をたどっていきます。そして、道具の変化が日本の食をどう変えてきたのかも浮びあがらせたいともくろんでいます。

「食の源流探訪」は毎回、定番食となった料理をひとつ取りあげ、文献をもとにその起源を探る企画で、いつも歴史をさかのぼるイメージで調べものをしていました。一方、「変わるキッチン」は、時代を下っていくことが主眼になりそうです。

「食の源流探訪」は3年ほど続けたこともあって、まずはこの図書館でこのデータ検索して、さらにあの図書館へ行き…と“調べものルート”が自然にできあがっていました。けれど、新しい連載となると、またイチから手探りです。

手はじめに、調理道具といえば『暮しの手帖』だろうなと思い、1960年代から1980年代までの約30年分を図書館でチェック。調理道具の記事をみつけてはコピー、を繰り返していたので、コピーカウンターの人からは“『暮しの手帖』の人”と認識され……

さらにそのことを電話で母に話したら、なんと「うちに何冊か残っているわよ」と言うではありませんか。両親の部屋の重厚な本棚にかつて『暮しの手帖』がずらっと並んでいたのは覚えていましたが、さすがにもうとっていないだろうと思っていました。

そんなわけで、実家の本棚に眠っていた70年代の『暮しの手帖』が急遽、我が家へやってきたのでした。



数冊積んだだけの圧迫感もさることながら、内容の充実もさすがです。『花森安治の編集室』などを読んだりして、花森安治という人のすごさは知っていたつもりですが、やはり実際に1号1号めくってみると、そのおそろしく手間ひまと頭を使ったつくりにめまいが。

よく引きあいにだされるメーカー名丸出しの「商品テスト」記事なんて、この雑誌の一面でしかない。東から西へ電車に乗って移動するなかで会った人たちとの会話で構成されているルポもあれば、社会問題を可視化したインフォグラフィックスも。斬新な企画が毎号みっちり載っていて、ついついじっくり読んでしまいそうになるのをこらえて、なんとかノルマを達成しました。

こうして『暮しの手帖』片手にスタートした「変わるキッチン」。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40526

資料置き場をどうすりゃいいの問題をみないふりして、どこまでいけるか。毎月終わり頃の更新を予定していますので、どうぞよろしくです。

2014年3月28日金曜日

『おばあちゃん猫との静かな日々』と発売記念写真展

3月14日に発売したカメラマン・下村しのぶさん『おばあちゃん猫との静かな日々』(宝島社)。私は編集で関わりました。



手前味噌ですが、赤い表紙が目を惹きます。思わずなでたくなるようなおばあちゃん猫・照枝さん。

デザインは葉田いづみさん。
巻末の「老猫と暮らすための知恵袋」では、主治医だったひがしやま動物病院の東山哲先生にご協力いただき、風間勇人さんに味のあるイラストを添えていただきました。

思い返せば、下村さんに出会ったのは、ライターとしてはまだまだだった10年ほど前。
いつかちゃんとお仕事をしたいと思っていましたが、昨年編集した『水引デザイン』(m90デザイン室、誠文堂新光社)に続き、こんな大切な本でご一緒できるとは思ってもみなかった。

私自身は猫を飼ったことがなく、下村さんの思いにどこまで寄り添えているか、正直自信はありませんでした。それでも、あとがきをもらったときは、込み上げてくるものがあって、しばらくぼーっとしてしまいました。だからきっと、猫好きの方はもちろん、そうでない人にもなにかしら響くものがある本になったのではないかと思います。

そして、本の発売を記念した写真展が3月25日から始まり、私は昨日行ってきました。





ぜんぶで30点ほどでしょうか。まっしろな空間に気持ちいいリズムで、いろんな照枝さんがいます。
本に載っていない写真もあります。本に載っている写真もまた、大きいプリントで見ると違う発見があります。

ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。


『おばあちゃん猫との静かな日々』発売記念写真展「照枝さんのこと」

2014年3月25日(火)~31日(月)12:00~21:00 ※会期中無休
Grill Gallery(東京都江東区平野1-9-7 fukadaso102号室)


2014年3月16日日曜日

OXOの縦型ピーラー買いました

ピーラーはひとつ持っているのですが、先日、新たにOXOの縦型ピーラー買いました。



この本については、共同通信でも書評を書かせてもらいましたが、包丁やオーブンなど身近な料理道具の歴史について、古今東西に目配せしながらひも解いていく大作です。

で、この本の終わりのほうで、先のOXOの縦型ピーラーの話が出てくるんです。元家庭用品会社の創業者サム・ファーバーは、手に軽い関節炎を患っていた妻が、野菜の皮むきに苦労していた姿をみて、もっと握りやすいピーラーはできないものかと考えた。それがこの1990年に発売された縦型ピーラーです。

にんじんやごぼうといった細長い野菜は、従来の横型でもむきやすいですが、じゃがいもとか丸い形のものは、やりづらいからいつも包丁を使っていました。でも、これなら、包丁にピーラーがついている、という感じで、丸い面にもフィットします。しかも、太い握り手が、安定感バツグン。

道具ってちょっとの発想で、ずいぶん違いが出るものなんだな、と実感。新じゃがの季節もやってきたことだし、これから重宝しそうです。


2014年3月6日木曜日

「出西窯の仕事」できました

島根県の民窯、出西窯によるタブロイド「出西窯の仕事 No.1」。




出西窯の黒や白、瑠璃色や飴色といった色とりどりのうつわと料理の数々。
出西生姜を使ったレシピも載っています。

『最高に美しいうつわ』(エクスナレッジ)チームが関わり、私はインタビュー記事などを担当しました。すでに配布中なので、もう展示会などでご覧になった方もいるかもしれません。

撮影の合間にいろいろつまみぐい(というよりドカ食い)しましたが、どの料理もおいしかった!

紙面を眺めていてあらためて、シンプルな出西のうつわは、食材本来の色あいを引き出す力があるなあと思います。料理のじゃまにならず、料理の底上げをしてくれるすぐれもの。

創業メンバーの多々納弘光さんがお話ししてくださったなかで、心に残ったのが「使う人が料理を盛りつけて初めて、一枚の皿がいきいきと美しくなる」。まさにその言葉どおりのうつわです。

もしみかけたら手に取ってみてください。


2013年12月5日木曜日

トークイベント「ニッポンの食欲」開催!

12月13日(13日の金曜日です)に、『ニッポン定番メニュー事始め』関連トークイベントをやります!


■澁川祐子さん×速水健朗さんトークイベント「ニッポンの食欲」
http://cookcoop.com/news/event/650

【日時】12月13日(金)19:00~21:00 〈開場18:45〉
【場所】COOKCOOP BOOK キッチンスタジオ
【住所】東京都千代田区紀尾井町4-5 G-TERRACE1階
【料金】2,000円 
【予約】http://cookcoopstudio.doorkeeper.jp/events/7436
【問い合わせ】info@cookcoop.com または 03-3264-3430


場所は、食の専門書店COOK COOP BOOKさん。
またとない会場をご紹介くださったのは、『ニッポン定番メニュー事始め』の編集に関わってくださった小林さん。







COOK COOP BOOKは、もともと渋谷に小さいお店があって、私もときどき寄っていたのですが、ちょうど10月に紀尾井町に移転。大きなキッチンスタジオつきのお店にリニューアルしています。

レシピ本はもちろん、食にまつわるエッセイや絵本など、ほかではあまりみかけない本がたくさん。店内ではお茶も飲めます。

この前、打ち合わせに行ってきましたが、プロ仕様のキッチンを見て気持ちがアガりました!!
ここで海軍肉じゃがをがしがしつくって、みなさんに試食してもらおうと思っています。







そしてトークのお相手は、12月中旬にちょうど『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』(朝日新書)を上梓される速水健朗さん
近代化以降の日本人の飽くなき食欲について語ります!
速水さんのお手製ローフードも登場の予定です。

年末の慌ただしい時期ですが、ご興味のある方は忘年会がわりにどうぞお越しくださいませ!

2013年11月7日木曜日

掛谷康樹さんのうつわ

先日、べにや民芸店さんで開かれている掛谷康樹さんの作陶展(11/10まで)に行ってきました。

掛谷さんといえば、練り上げのうつわです。

練り上げとは、数種類の異なる土を組み合わせて文様をつくる技法のこと。掛谷さんの練り上げは、大胆だけれど落ち着きもあって、押しと引きのバランスがちょうどいいと言いましょうか。眺めて楽しいし、使ってしっくりくるうつわです。

で、私が求めたのはこちら。


お店に入った瞬間、ふわああーと叫びたいのをこらえつつ、にじり寄っていったのが下の大皿。

うのふと名づけられた糠釉の皿で、よくみると表面が少しまだらになっています。写真が下手でまことに申し訳ないですが、これがなんともいえず、やさしい風合いを醸しだしているのです。

そして、上は「鶉手」という、鶉の羽の斑紋を表した文様の鉢。ビビッドです。丸みを帯びたふちもニクイ仕事です。

というわけで、しばらくは眺めてにやにやしながら暮らすことにします。